足湯・足浴に関する文献レビュー、総説の紹介

「足浴の効果における実験プロトコールに関する文献レビュ-」                               北海道科学大学研究紀要 第41号(平成28年)研究報告 p1-6, 秋山雅代

【要旨】本研究の目的は、温浴効果を高める目的で足浴を併用したシャワー浴の効果を検証するため、 国内外の足浴の実験プロトコルに関する研究の文献レビューを行い、今後の課題を検討すること である。レビュークエスチョンを「足浴の温浴効果はどのような手順で検証されているか」とし て文献検討を行った。医学中央雑誌 Web 版と PubMed で「足浴」「footbath」をキーワードとし文 献検索を行った結果、14 件の国内文献と 12 件の国外文献が分析対象となった。その結果、足浴 効果は臨床施設において継続的に検証されており、医師、コメディカル職、看護職が多角的な指 標を用いて全身の効果を説明していることがわかった。温浴効果の持続性の検証では、実験環境 と使用する物品を検討する必要がある。また、再現性において、臨床で実施されている足浴方法 の実態をふまえて、体温変化の生理学的根拠をもとにした実験プロトコルの作成が課題であると 考えられた。

足浴実験の測定項目
客 観 的 評 価 項 目
生理的効果指標 循環系:血圧・心拍数・R-R 間隔・脳循環・ 心機能(左室駆出分画・左室 1 回 拍出量) 温度:深部温(腋窩温・鼓膜温・直腸温)皮 膚表面温度・サーモグラフィー 神経系:自律神経活動指標 (LF・HF・LF/HF) 運動機能:複合的動作能力(TUG) 動的バランス能力(FRT) 筋硬直・足関節背屈角度 足底荷重最大値・歩幅 その他:唾液中ストレスマーカー・ 睡眠 PSG 検査・ 心臓足首血管指数(CAVI)・ 手背発汗量・活動量

主 観 的 評 価 項 目
VAS(創部痛の強度) STAI(状態不安) POMS(気分プロフィール検査) オリジナル疲労評価 ※ オリジナル睡眠評価 ※ 睡眠調査表 快適度(フェイススケール)

【コメント】足浴の実験プロトコル のまとめとしては、

1)湯の温度 足浴の湯温は38℃~42℃の範囲で設定され ていた。

2)浸漬部位(水位) 足部の浸漬部位(水位)は、足踝上部、外 踝部上 5cm、下腿、膝蓋骨上、膝蓋骨中央 から下 15cm、水位 15~20cmであった。

3)所要時間と姿勢 足浴の実施時間は 10 分~20 分の範囲で設 定されているものが多かった。

4)実験環境 足浴の実施場所は屋外 1 件の他は、病室 実験室、施設内アトリウム、健康センター集 会所であった。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です