「足湯でリラックス♨」日本経済新聞 SUNDAY NIKKEI 2014年(平成26年)3月2日(日曜日)

「足湯」の有効性については、日経新聞2014年3月2日の日曜版に掲載された「足湯でリラックス」の記事でコンパクトにまとめられています。

①リラックス効果「ぬるめのお湯で足湯をすると、副交感神経の働きが高まり、リラックス効果が得られる。」

副交感神経は体の機能を無意識に調節する自律神経の一種で、休息時などに強く働くことが知られています。帝京平成大学の上馬場和夫教授は、被験者15人を対象に炭酸泉で30分間の足湯をした結果から、自律神経のうち活動するときに働く交感神経が抑えられ、副交感神経が活性化することを示しました。特に、炭酸入浴剤の利用でリラックス効果が高まるそうです。

②不眠の解消 「寝付きを良くする効果」

 足が温まり交感神経の働きが弱まると、胴などの体幹の温度が下がり寝付きやすくなることを指摘されるのは、京都看護大学学長の豊田久美子先生。就寝前に足湯をし、湯冷めしないように足を良く拭いてから寝ることが大切のようです。ショウブなどの薬草エキスを湯に入れると更に効果が高まるそうです。

③免疫機能の向上 「足の血管が温められて血流が良くなり、免疫細胞NK細胞が活性化」

豊田先生は、被験者10名に足湯20分間後の血液中の免疫細胞の活性を調べ、免疫をつかさどるリンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞の活性が7名で上昇している結果を報告しました。NK細胞は、文字どおり生まれつきの殺し屋で全身をパトロールしながら、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃するリンパ球です。足湯のみでもカラダ全体の免疫機能を上げることが出来るとは驚きです。

④高齢者の転倒防止 「足の関節や軟骨、筋肉が温まって柔軟性が増す効果」

藍野大学の本多容子教授は、足湯が高齢者の転倒防止に役立つことを見つけました。ヒトは加齢とともに関節が固くなり、バランスを崩した時に転びやすくなります。そこで、70代の女性20名を対象に10分間づつの足湯をした結果、関節・軟骨・筋肉が温まり以前よりつま先を反らせる角度が大きくなり、つま先の柔軟性が増してることが示されました。

【様々な効果が期待できる正しい足湯のやり方】

 

・自宅で足湯をする場合、時間は7~20分が目安。疲れを感じない範囲で無理なく。汗ばんできたら終えるのが目安。

・容器は15リトル容量の丸いバケツ、窮屈な人には専用の足浴器(フットバス)がおすすめ。

・適温は38~42℃、高齢者は41℃以下で。リラックスしたい人や寝つきを良くしたい人はぬるめの湯、血行促進効果を期待するなら熱めの湯を使う。但し、熱めの湯は心拍数が上がりやすいので、高齢者や循環器系の病気を持つ人は注意が必要。

・保温効果を増すには容器まるごとビニール袋で包むと良い。温まりたい人は湯を多めに入れ、時折差し湯をして湯温を保つようにする。

・気分転換には、好みに応じて炭酸入浴剤やアロマテラピー用のエッセンシャルオイルを入れると気分転換になる。

                                     以上

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