頻尿と足湯についての実証論文の紹介

介護施設では、入所者の夜間頻尿の回数を減らすことは大きな課題となっています。そこで、足湯・足浴の利用が夜間排尿の回数を減らし夜間睡眠効率が上昇し中途覚醒回数の減少により睡眠が良好化した実証試験を紹介します。

山梨県立大学看護学部 小林たつ子、他の発表論文

山梨県立大学看護学部紀要 Bulletin of Faculty of Nursing, Yamanashi Prefectural University 16, 1-9, 2014

目的:高齢者に足浴を実施し、以下の仮説を検証した。1)夕方の足浴により、午後から夕方にかけて貯留した浮腫傾向の水分が足浴の排尿促進効果により、入眠前に排尿され、夜間排尿量と夜間排尿回数を減少させる。2)足浴により睡眠効率が良好化するとともに、1)の成果も加わり夜間の中途覚醒が減少する。対象および方法:65 歳以上の女性7名に湯温40℃に踝骨の上10cm の湯量で10 分間の足浴を17 時に実施群と非実施群にランダムに割り付けcrossover design で実施した。結果および考察:夕方の足浴の実施により、眠前の排尿促進はしなかったが、夜間排尿量は有意に減少し、夜間排尿回数は0.5 回減少した。また、足浴実施群の夜間睡眠効率は上昇傾向がみられ、中途覚醒回数は有意に減少したことから、睡眠が良好化したといえる。以上のことから、本研究の仮説はほぼ検証できたと思われる。しかし、被験者が少ないことは本研究の限界である。

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